2023年2月16日木曜日

グラボのBIOS書き換えに失敗したときの復活方法メモ

かれこれ7年くらい使っているお勉強用マシンがあるのですが、これにグラボをつけて遊んでみようとふと思い立ちまして。
自作ではなく一昔前のメーカー製スリムタワーPCがベースなので、ケース内のスペースや電源容量などを鑑みて、中古のRX550を仕入れてきました。
(本当はGTX1650がよかったのだが、ケースに入るサイズのものがなかった)

取り付けと動作確認は問題なくできたのですが、さらにいろいろ調べてみると、BIOSの書き換えでRX560(894SP)化ができそうということがわかりました。
で、早速チャレンジしたのですが… 見事に失敗したので、なんとか復活するまでの記録を残しておきます。


どのような問題が発生したか



BIOSを書き換えたグラボを取り付けてPCの電源をONにすると、グラボのファンは回るが、マザボのBIOS起動画面にすらたどり着かず、Windowsの起動ができない。


試してみたがNGだった復旧手順



先人たちの対応したケースと私のケースが異なる可能性があるかもしれませんが、とりあえずググってでてきた以下の内容はNGでした。
いずれも、オンボードグラフィックスなど、問題のグラボ以外にディスプレイ出力できる環境は必須です。
  • セーフモードでWindowsを起動して問題のグラボを無効化し、再起動後にATIFlashで問題のグラボのBIOSを書き換える
    → そもそも問題のグラボを挿した時点でマザボのBIOSから起動しない
  • FreeDOSでATIFlashを実行できるUSBを作って、問題のグラボを挿した状態でUSBブートをする
    → USBは作れたが、そもそも問題のグラボを挿した時点で(ry
  • グラボでBIOSのスイッチ設定を切り替えてがんばる
    → そんなスイッチはこのグラボにない
  • 特定箇所の導線をショートさせる
    → さすがにそこまではできなかった…
USBを使った手順がいちばん復活の可能性がありそうだったのですが、どうにもうまくいきませんでした。
結局、マザボのBIOSすら起動できず何もできない状態になっていることが問題なので、先人たちの対応ログに残っていない/さらっと流されているマザボのBIOS設定をどうにかするしかないと思って試行錯誤してみました。
# メーカーやバージョンによって設定項目はバラバラなので、記録を残しづらいのだとは思います


最終的に成功した復旧手順



最終的に、マザボのBIOSで以下4つの設定を変更することで、問題のグラボを挿してもWindowsを起動することができるようになりました。
なお、これは富士通のESPRIMOで確認しており、他のメーカーでは違う設定を変更する必要がある可能性もありますので、注意してください。
  • [詳細] > [ディスプレイ出力の優先順位]
     PCIE,PCI,IGD → 内蔵ビデオ
  • [詳細] > [エラー停止]
     全てのデバイス → なし
  • [セキュリティ] > [セキュアブート設定] > [セキュアブート]
     無効
  • [セキュリティ] > [セキュアブート設定] > [署名情報の保護]
     有効(ユーザーモード) → 無効(セットアップモード)
セキュアブートは最初から無効だったのですが、たぶん有効にしてるとうまくいかないと思います。
おそらくいちばん大事なのは[詳細]配下の設定で、ここで明示的にグラボを使わないこと、エラーが発生しても起動を停止しないことを設定したことで、問題のグラボを挿した状態でも起動できるようになったのだと思います。

これで問題のグラボを挿した状態でもWindowsを起動できるようになったので、あとは管理者権限のコマンドプロンプトからATIFlashを実行して、バックアップしていたBIOSを投入すればOKです。
都度詳細なログを確認するためにも、コマンドプロンプトからATIFlashを実行することを強く推奨します。
あと、ATIFlashのバージョンは2.93にしておきましょう(最新版だと-fオプションが使えないため)


まとめ



起動できなくなったときはグラボ代をドブに捨ててしまった…と後悔しましたが、なんとか復活することができて一安心です。
特にこれで3Dゲームをする予定などはないのですが(そもそも仮想マシンをいろいろ構築する用のPCですし)、せっかく買ったので何かしら活躍できる場面は作っていきたいと思います。